第25回数理の翼セミナーで実施する実験について

「実験に参加する」と聞くと、 多分多くの人は試験管を振ったり色の変化を観察したりといった作業を 自分ですると思うでしょう。 でも今回の実験では少々勝手が違います------皆さん自身が実験台になっていただきます。
「実験台になる」と言っても、別に皆さんの心身に何か影響が残るようなことはありません。 実験責任者が予め準備をしっかりとしておくことで、そのような"副作用"を引き起こさないようにできます。 もちろん、「それでも実験台にはなりたくない」という方には、実験に参加しない権利がありますし、 そのような場合でも実験を見学することが可能です。
では、実際にどんな実験を行うのか、ちょっとだけ見てみましょう。 実験結果に影響してはいけないので、肝心要(かなめ)の部分はもちろんお見せできません。 続きはセミナーでご説明いたします。


  1. 実験内容

    今回の実験では、ヒトがどのような行動に出るかを調べ、分析します。
    「行動」というと、皆さんはどんなものをイメージするでしょうか? 走る、投げる、食べる、寝る、あるいは考える、信じる、望む、などといった目に見えない 行動をイメージするかもしれません。もちろん、「何もしない」というのも立派な行動です。
    ただ、今回はあくまでも実験ですので、ある限られた状態に置かれた時に どのような行動に出るかを調べます。

  2. 手続き

    ヒトがどのような行動を取るかを調べる方法は、いくつかあります。 以下に、代表的な手法をいくつか挙げておきます。

    1. 直接どういう行動を取るかを訊く
    2. ヒトの行動を観察する
    3. ヒトの行動の産物を観察する
    4. 簡単な課題を与えてどのように処理するかを観察する
    アンケート調査や聞き取り調査などが1番目に当てはまります。 商品の使いやすさをテストする場合などは2番目の手法がしばしば用いられます。 3番目は考古学や文化人類学でよく用いられる手法です。
    多分、皆さんは4番目の手法がイメージしづらいかと思います。 そして今回の実験では、皆さんに簡単な課題を処理していただき、 その過程や結果を分析するという、まさにこの4番目のタイプの実験を予定しています。
    なお、今回の実験では、みなさんに簡単な課題を処理していただくことになりますが、 この結果に応じて景品を出そうと思います。

    注意!
    このように、ヒトの行動(考え方や思想なども含まれます)を調べる際は、 「調べる」こと自体が調べられる相手(サンプルとなってくださる方々)に与える影響を 十二分に考慮する必要があります。
    そのため、このようなタイプの内容を実施する際には、倫理的に問題がないかを 所定の倫理委員会で審議し、許可を得てから実施します。 また、無理な協力はお願いしてはなりません(インフォームドコンセント)。
    今回の実験では行動科学が専門の実験責任者が予め十分な準備をした上で、 実験に問題がないかを事前に他の場所で試してあります。 このような準備を行った上ではじめて実験ができるのです。 賢いみなさんがそんな過ちを犯すとは思いませんが、 セミナーで学んだからと言って、間違っても安易に何かを調べようとしないでください (念のため付け加えておきますが不用意に調べようとすると、 プライバシーを侵害したり、肉体的・精神的なダメージを与えてしまったりすることになり、 警察のお世話になる可能性もあります)。

  3. 結果の整理・分析

    今回の実験は、8月11日に実施予定です。 そして実験の解説が翌日12日に予定されていますので、 11日の夜に結果を整理・分析する必要があります。
    今までに理科の実験などでレポートを書いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。 レポートを書く時に、実験結果を整理した経験のある方もいらっしゃることでしょう。 それでも今回みなさんに参加していただく実験の結果がどのようにまとめられるのか気になる方は、 11日の夜に結果を処理する様子を見ることができます。

いかがですか?実験に興味を持っていただけましたでしょうか?
それでは実験が成功することを祈りつつ、セミナーでお会いしましょう!


Shihomi Wada (wassan@yugen.org)