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第35回 数理の翼 夏季セミナー

講師紹介

講師一覧

内出 崇彦 先生

独立行政法人 産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門 地震テクトニクス研究グループ/震源地震学

略歴

2004年: 東京大学理学部 地球惑星物理学科卒業
2006年9月: スタンフォード大学滞在(1か月間)
2008年 - 2010年: 日本学術振興会 特別研究員(DC2/PD)
2009年: 東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 博士課程 修了 博士(理学)取得
2009年 - 2011年: カリフォルニア大学サンディエゴ校 スクリプス海洋研究所 ポスドク研究員
2010年 - 2013年: 日本学術振興会 特別研究員(PD) (受入機関: 京都大学防災研究所)
2013年 - 現在: 産業技術総合研究所 研究員

講師紹介

日本周辺で起きる地震は、M7程度の大きなものは年に数個程度ですが、小さなものまで含めると年に10万個を超えるといわれています。地震は岩石の小さな破壊から始まり、その破壊の拡大によって成長していくことが研究により明らかになっていますが、その成長過程の中で最終規模を運命づける要因はまだはっきりとわかっていないのが現状です。内出先生は、地震波形データ解析によって大小の地震の性質の違いを詳しく調査することで、この問題に取り組んでおられます。そしてこのような研究によって、特に大地震の発生過程を理解していきたいと考えておられます。小さな破壊はどのような過程を経て、大地震にまで発展するのでしょうか。地震の謎に迫ります。

酒井 敏 先生

京都大学大学院 人間・環境学研究科/地球流体力学

略歴

1980年: 京都大学理学部卒業
1981年: 京都大学教養部 助手
1986年: 博士(理学)取得
1990年: 京都大学教養部 助教授
2009年 - 現在: 京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授

講師紹介

酒井先生は、地球上の大気や海洋の流れを研究する地球流体力学がご専門です。しかし、「ありとあらゆる地球上の面白いものが研究対象。使える道具は何でも使う」というお考えのもと、専門領域にとらわれることなく幅広く研究されています。先生のそのような取り組みの象徴が、ヒートアイランド現象の研究をきっかけに考案された「フラクタル日除け」だと言えるでしょう。太陽光線を遮断することと風通しを良くすることに着目し、自己相似性をもつ図形「フラクタル」を屋根に応用することで、通常よりも効果の高い日除けを実現されました。自然現象と、幾何学模様。一見無関係に思えるところにこそ、新発見の種がある――科学の新しい一面を、一緒に見てみませんか。

高安 美佐子 先生

東京工業大学大学院 総合理工学研究科知能システム科学専攻/経済物理学、統計物理学

略歴

1987年: 名古屋大学 理学部 物理学科卒業
1993年: 神戸大学大学院 自然科学研究科 物質科学専攻 博士課程修了
1993年: 東北大学大学院情報科学研究科 日本学術振興会 特別研究員(PD)
1996年: ボストン大学 物理学教室 客員研究員
1997年: 慶應義塾大学理工学部 助手
2000年: 公立はこだて未来大学 システム情報科学部複雑系科学科 助教授
2004年: 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科知能システム科学専攻 助教授
2007年: 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科知能システム科学専攻 准教授

講師紹介

個におけるミクロの性質を用いて、集団としてのマクロな現象を説明するのが「統計物理学」の立場です。これは、気体分子1つ1つの運動をもとに気体全体の振る舞いを理解するために発展した学問でした。ところが、こうしたミクロからマクロへとつながる現象は物理現象に限りません。高安先生は、人間1人1人の行動をミクロの性質と捉えたとき、それがマクロな経済活動・社会現象にどう結びつくのかを、統計物理学の手法を用いて研究されています。近年、従来の学問領域の境界線は曖昧になってきています。社会学的対象を物理学の視点から解明する高安先生は、まさにそのトップランナーです。既存の枠を超える科学の広がりを、ぜひその目で確かめてください。

初貝 安弘 先生

筑波大学 数理物質系物理学域 /物性物理学(理論)

略歴

1985年: 東京大学工学部物理工学科卒業
1987年: 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程修了
1989年: 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程中退
1989年: 東京大学物性研究所 助手
1990年: 東京大学 工学博士(論文博士)
1992 - 1993年: マサチューセッツ工科大 博士研究員(兼任)
1995年: 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 講師
1996年: 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 助教授
2007 - 2011年: 筑波大学大学院数理物質科学研究科物理学専攻 教授
2011年 - 現在: 筑波大学数理物質系物理学域 教授
2010 - 2012年: 筑波大学理工学群物理学類長
2010 - 2012年: 東北大学 客員教授(学際科学高等研究センター)
2011年 - 現在: 筑波大学学際物質科学研究センター教授(量子物性コア)兼務

講師紹介

物理の教科書を見て、「こんなものを学んだところで、これがどう役に立つのかわからない」と思ったことはありませんか?しかし、今あなたの目の前にある物質は、確かに学校で習うような基本的な法則によって記述される原子の集まりなのです。そんな原子たちがどのようにして多彩な物質を作っているのだろう?それを知ろうとする試みこそが、物理の一大分野、物性物理学なのです。初貝先生は、その物性物理学を、特に物質中に存在する幾何学的構造に着目しながら研究されています。目に見える物質の内部では、一体何が起こっているのか?そこに、どのような構造が潜んでいるのか?是非、その身近な神秘を体感して下さい。

藤嶋 昭 先生

東京理科大学 /光触媒、機能材料

略歴

1971年:東京大学大学院博士課程修了
1975年:東京大学工学部 講師
1976年~77年:テキサス大学オースチン校 博士研究員
1978年:東京大学工学部助 教授
1986年:東京大学工学部 教授
1995年:東京大学大学院工学系研究科 教授
2003年:神奈川科学技術アカデミー理事長・東京大学 名誉教授
2005年:東京大学特別栄誉 教授・日本学術会議 会員
2006年:日本化学会 会長
2010年~現在:東京理科大学 学長

講師紹介

掃除をしなくても清潔さを保てる建物の外壁。雨の中でも曇らないミラー。一昔前までは夢のような話であったこれらの技術は、藤嶋先生の発見された二酸化チタンという「光触媒」によって実現が可能になりました。「水中で二酸化チタンの結晶に太陽光をあてると水素と酸素が発生する。」藤嶋先生が見出されたこの現象が、現在では幅広く応用されています。まさに、知的探求心を原動力とした基礎研究が、実用的な応用へと結びついている理想的な関係と言えるでしょう。このような発見に至った経緯、そして科学の種が技術の花を咲かせるまでの道のりとは?生活を豊かにする身近な科学の姿をご覧ください。

古田 幹雄 先生

東京大学大学院 数理科学研究科 /幾何学(ゲージ理論)

略歴

1983年: 東京大学理学部数学科卒業
1985年: 同大学院理学系研究科修士課程修了後、同大学理学部 助手
1995年: 京都大学数理解析研究所助 教授
2000年 - 現在: 東京大学数理科学研究科 教授

講師紹介

高校で教わる「幾何学」といえば、直線や円が登場し、角度、長さを測る学問というイメージでしょうか?古田先生のご専門も「幾何学」ですが、このように高校で教わるような幾何学とは大きく異なります。私達の住む3次元の世界では見ることができないような高次元の図形やねじ曲がった図形なども研究の対象とされているのです。数学者達はどのようにして、そのような図形を「見ている」のでしょうか?また、現代幾何学は図形の研究という枠を越えて、図形が存在する「空間」そのものの研究としての側面も持っています。そして、幾何学における空間概念の探求は、物理学の数学的な基礎づけを提供するなど広範囲に影響を及ぼしているのです。皆さんも、図形・空間の本質に迫る幾何学の世界を覗いてみませんか?

松前 ひろみ 先生

北里大学 医学部解剖学 /古代ゲノム学、バイオインフォマティクス

略歴

2005年: 東海大学電子情報学部卒業 学士(工学)
2012年: 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科博士課程修了 博士(医学)
2012年 - 現在: 北里大学医学部解剖学 研究員

講師紹介

DNAは、その生物に関する情報がすべて詰まっている、いわば生物の設計図です。DNAの塩基配列はとても長く、例えばヒトでは30億あります。しかし、それほどの長さの「情報」を漠然と見つめていても、それの意味するところは何もわかりません。そこで、情報科学の知見を利用して、この膨大なゲノムに潜む真実に迫るのがバイオインフォマティクスです。松前先生は、このバイオインフォマティクスを応用して、過去の生き物の化石や、人々の生きた証である遺跡の研究をされています。化石から得られたDNAを読み解いてゆくことで、生命の進化の歴史を辿ることができるのです。私たち生物の歴史はどこまでわかったのか?ジュラシックパークを作ることは可能なのでしょうか?生命科学研究の最前線をお楽しみ下さい。