数理の翼ワークショップ2007

数理の翼ワークショップ2007は終了いたしました。

お越し頂いた皆様、ご協力下さった皆様に御礼申し上げます。

 

ひらけ!サイエンスのとびら ~最先端科学に出会う一日~

 

ニュース

 

2007/07/28・・・数理の翼ワークショップ2007は終了しました。ご来場頂きありがとうございました。

2007/07/03・・・募集期間を延長しました。

日本科学未来館のウェブサイトに掲載されました。 こちらをご覧下さい。

2007/06/15・・・参加者募集を開始しました。

2007/05/25・・・発売の「ニュートン」誌のインフォメーション欄に当ワークショップの案内が掲載されました。

2007/05/12・・・数理の翼ワークショップ2007のWebサイトがオープンしました。

 

趣旨

本ワークショップでは、数学・理科分野に興味を持つ高校生以上の方を対象として、 講義によって最先端の研究にふれてもううだけでなく、研究者や大学生・院生、他の参加者との交流を通して、 知的興奮を味わう機会を提供します。高校生にとっては普段の授業、受験勉強とは違い、 学問にふれることができる貴重な機会となるでしょう。また、大学生以上の方にとっては、 若手研究者との少人数セミナーのように双方向的なコミュニケーションの機会はたいへん新鮮なものであり、 知的好奇心をおおいにくすぐる一日となるに違いありません。短い時間の中ですが、さまざまな方に感動を提供したいと考えております。

 

開催概要

  • 日時 : 2007年7月28日(土) 13:00-17:00 (12:30開場)
  • 会場 : 日本科学未来館 (東京都江東区・お台場)
  • 対象 : 自然科学に興味を持つ高校生以上の方
  • 定員 : 80名 (先着順)
  • 主催 : 特定非営利活動法人 数理の翼

 講師

  • 瀬々 潤 さん(お茶の水女子大学 理学部情報科学科 准教授, 当法人 理事)

 

プログラム紹介

第1部 講演

【講師】

瀬々 潤 さん(お茶の水女子大学 理学部情報科学科 准教授, 当法人 理事)

sesejun

【内容】

『計算機を使って生命を解き明かそう』

計算機でどうやって生命が分かるんだ?と疑問をもたれたかもしれません。 今、生命科学の先端は、実験のロボット化により大量の実験結果で溢れています。 そして、この情報を計算機を利用して解析する新しい分野であるバイオインフォマティクスやシステムズバイオロジーが注目を浴びています。 講演ではこれらの分野の入門を行い、今起る、生命科学、情報科学、数理科学の融合の一端を紹介したいと思います。

第2部 少人数セミナー

第2部では数人の参加者に一人の研究者がつき、 グループごとに数学・物理・化学・生物など科学のさまざまな分野について討論を行います。 ひとつずつのグループは少人数となりますので、存分に質問・発言なさってください。

 

テーマ1 : 方程式を解く

チューター : 阿部紀行(東京大学大学院 数理科学研究科 数理科学専攻 博士課程)

方程式を解くということは、昔から考えられていました。 二次方程式の解の公式などは古くから知られていましたが、 その一方で五次方程式以上に解の公式が存在しないことはAbelにより証明されています。 ピタゴラスの定理に関連してx^2 + y^2 = z^2の整数解は沢山あることが知られていましたが、 指数の2を3以上にすると非自明な整数解がないというFermatの予想は350年の時を経てWilesにより証明されました。 今回は、このような方程式を解くということに関連した話をしたいと思います。

 

テーマ2 : 理系患者学入門

チューター:泉千尋(浅間総合病院)

 

テーマ3 : 大きなものの物理と小さなものの物理 -マイクロマシンの作り方-

チューター:岩瀬英治(東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)

アリは壁を登れるけれどゾウは壁を登れません。これは何故でしょう?アリの足の裏が特殊なのでしょうか? 大きさによって物理法則自体が変わるということはありません。 しかし、大きさによって違う現象が起こっているようにみえることがあります。 このようなことはマイクロマシンなど小さな機械を作るときには非常に重要になってきます。 身近な例から、最先端のマイクロマシンの設計方法まで紹介できればと思います。

 

テーマ4 : 震源地震学への招待

チューター:内出崇彦(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 博士課程)

地震はわれわれの日常生活に非常に密接に関わる自然現象ですが、 震源で生じている現象については案外知られていないのではないでしょうか。 日々発生している地震のほとんどは体感できない程度の弱い地震波しか放出しない小さいものです。 われわれの生活に打撃を与えるような大地震はたまにしか発生しません。 大きい地震と小さい地震はいったい何が違うのでしょうか。 実は意外と似ている点も多いようです。 震源地震学がこれまで解き明かしてきたこと、いま目指していることをわかりやすくお伝えします。

 

テーマ5 : コンピュータを使って人の顔を見分ける方法

チューター:河原智一((株)東芝 研究開発センター)

人間にとって、顔を見てその人物を特定することは意識しなくても出来てしまうほど簡単なことですが、 コンピュータにとっては、まだ限られた条件下でしかできない非常に難しい問題です。 しかし、近年、その限られた条件下では人間を超えたとさえ言われるほど研究が進んでいます。 顔認識処理はハードウェアからソフトウェアまで、様々な技術が使われているのですが、 今回は機械学習の側面から顔認識の研究を紹介したいと思います。

 

テーマ6 : 脳神経科学 -高次脳機能解明への挑戦-

チューター:木村紘子(東京大学大学院 医学系研究科 機能生物学専攻 博士課程)

この10年ほどで飛躍的に進歩してきた脳科学。 究極的には「こころ」を解明することを目標とし、様々なレベルから科学的なアプローチが行われています。 今回は霊長類の脳の高次機能について電気生理学的手法やイメージングを用いた研究を中心に紹介し、 最近の動向をふまえて今後の展開や可能性について皆で議論したいと考えています。

 

テーマ7 : 光合成と太陽電池

チューター : 大伴真名歩(東京大学大学院 理学系研究科 化学専攻 修士課程)

エネルギー問題を解決するためには太陽エネルギーの効率的な利用が必要であり、 太陽電池はその有力な候補の一つである。 生物が行っている太陽エネルギー利用法である光合成と比較すると、現状の太陽電池は非常に原始的である。 光合成の機構はかなり解明されてきているので、光合成と太陽電池の動作を原子・分子レベルで比較・解説し、 太陽電池を今後どのように進化させていけばよいかについて考える。

 

テーマ8 : 素粒子論から分かる宇宙論

チューター:中島正裕(東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 修士課程)

極大の世界を探る宇宙論と、極微の世界を探る素粒子論は、互いのスケールのとてつもない違いにもかかわらず、 その学問の発展において多大なる影響を与えあってきました。 特に、確立された学問としては比較的歴史が浅い宇宙論において、素粒子論から受けた影響というのは甚だしいものがあります。 このセミナーでは、素粒子と宇宙との交流が最も盛んな初期宇宙という舞台の中でも特に初期宇宙での元素合成、 インフレーション理論といった話題を紹介する予定です。 また、近年もっとも精力的に研究されている高次元宇宙論についてもそのモチベーションとしての素粒子論を簡単に概説したいと思っています。

 

テーマ9 : 輪ゴムの対称性 – ニ種類の幾何学と変換群

チューター:松田能文(東京大学大学院 数理科学研究科 博士課程)

”輪ゴムの対称性”を特徴づけている円周の同相変換群について紹介します。 円周の対称性は、どんな角度で回転しても不変であることで理解できます。 この回転のように、距離が定められた図形の距離を保つ変換全体の集合は等長変換群と呼ばれ、その図形の対称性を特徴づけています。 一方、輪ゴムのような距離の定められていない図形には、連続的な変換全てを集めた同相変換群が対応していますが、 巨大で未知の部分が多い対象です。

 

テーマ10 : ネットワーク理論ってなんだろう?~ネットワークが織りなす不思議な世界~

チューター:松前ひろみ(東京医科歯科大学大学院 生命情報科学教育部 博士課程前期)

ネットワーク理論とは、物理学や社会学、インターネットの研究で始まり、 システムズバイオロジーのような生物学にも応用されている近年ホットな非線形科学の一分野です。 例えば人脈やインターネットは皆さんの身近にあるネットワークですが、 生命現象にも様々なネットワーク(タンパク質の相互作用、発生、体内時計等)が存在し、 あらゆるところでネットワーク構造を発見することが出来ます。 そこでそれらを比較しつつ、従来の学問の枠を超えた挑戦について現状をお伝えしたいと思います。

 

テーマ11 : 瀬々潤 さん(第1部講師)による少人数セミナー

 

申込方法

※申込は終了しました。

申込受付期間 : 2007/06/15-07/27

Webの場合

フォームの設置は終了致しました。

郵送の場合

氏名、学校名、学年、性別、住所、電話番号、メールアドレス、参加希望の少人数セミナーの番号を3つお書きの上、 次の宛先まで郵政はがきにてお送り下さい。

宛先

〒 104-0004 東京都千代田区大手町2-3-6 三菱総研ビル1F MBE-470号

NPO法人 数理の翼 「数理の翼ワークショップ2007 参加申込」係

少人数セミナーは、3つ記入していただいたうちの1つを受講していただく形となります。 募集締め切り後に、参加者全員がご希望のセミナーのいずれかを受講していただけるよう、当方にて振り分けを行います。 その際、記入順による重み付けはいたしません。 「1つめに記入した少人数セミナーのみ受講希望」といったご要望にはお応えいたしかねますので、ご了承ください。

 

会場へのアクセス

日本科学未来館まで

  • ゆりかもめ 船の科学館駅 / テレコムセンター駅 徒歩5分
  • りんかい線 東京テレポート駅 徒歩15分

日本科学未来館に着いたら

  • 本ワークショップに参加するだけの場合、入場券を買う必要はありません。
  • エレベータ/エスカレータで7Fにあがってください。

当日の様子

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講師の瀬々先生による第一部講義『計算機を使って生命を解き明かそう』の風景。 途中いくつか質問を交えながら参加者達は熱心に聞き入っていました。

ws2007-seminar

第二部少人数セミナー(岩瀬チューターのグループ)の風景。 チューターと1グループ5、6人の参加者がコミュニケーションを取りながら、 雑談なども交えつつ、打ち解けた雰囲気でセミナーは進んでいきました。

少人数セミナー議事録

少人数セミナー講義録 (PDF, 13ページ)

 

お問い合わせ

数理の翼ワークショップについてのお問い合わせは、以下までご連絡下さい。

連絡先

NPO法人数理の翼 ワークショップ実行委員会

E-mail : event@npo-tsubasa.jp

TEL : 03-3459-0245 (平日9-17時), 090-3082-3139 (担当 : 渋谷)